ちなみに、今日は瑞穂は風邪で休み。



こんな時期に風邪引くなんて、アイツもアホだと思ったけど、その考えは瑞穂からのメールによって打ち消された。



[受験生のくせに風邪ひくなんてアホだと思ってるんでしょうけど、お生憎様!
 
本番前にしっかり免疫作って、その時には最強の体になってるし〜
 
し・か・も!
なんとかは風邪引かないって言葉、あたしには当てはまらないし〜
  
ってことで、いつまでも呑気にケータイ眺めてないで、一人で今日は勉強頑張れよ!
 
 P.S 香住君情報なら、いつでも受信OKだじょ♪]




出た〜〜〜!!!ちゃっかり瑞穂!!
って感じだったけど。



言われてみれば、免疫がどうのこうののくだりは当たってる気もしないでもない………?




でもさ、ウイルスってごまんと空気中に存在してるんだよね?
今のが治ったところで、別のヤツが襲ってきたら………




とにかくさ、ずっと風邪引かないのが一番だよ、うん。




受験終わってからバンバン引いた方が、身も心もスッキリ〜みたいな。




というわけで、あたしはもう一度しっかりマフラーを巻き直してから自転車に跨った。




まだ5時前だというのに、すでに暗くなりかけている空には、どんよりした雲が広がっていて、なんかヤな予感がする。




でも行かないわけにはいかないし、恐る恐るペダルを踏みだすと、瞬時に冷たい空気が頬をかすめて身震いが起こる。




くっそ〜〜〜!!
風(風邪)に負けるな!楓。
だてに名前に“カゼ”が入ってるわけじゃないとこ見せたれ〜〜!!




なんて訳の分かんない気合を入れて、あたしは今度こそ力強くペダルを踏みこんだ。








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