5番走者が団長なのも、どうやら4団とも揃っていたようで。




トラックを、団長用の長いハチマキなびかせて、普段のブレザーとは違って応援団仕様の学ラン姿で走るその4人の雄姿は、いくら顔が悪かろうが、なぜかめちゃくちゃカッコよく見えてしまうから不思議だ。




その中でもヒロキは普段からモテてる方だから、今やスタンドの至る所から黄色い声援が飛んで飛んで仕方がない、みたいな。
まるでどこぞのアイドル事務所の運動会のよう。




さっきまで4位に落ちていた青団だけど、そんなヒロキの猛追によって3位に浮上した。




そしてバトンはそのまま赤・緑・青・白の順番でアンカーに渡っていくらしい。





いよいよもって耀太の出番が近づいた。




目前で繰り広げられてる激戦の熱気ですっかり耀太のことが頭から抜け落ちてたあたしの胸が、おかげで再びバックバクになったのは、言うまでもないんだけれど……




黄色い声援を送る主まで、どんどんと増えていってるような……?




“ようちゃん、頑張って〜〜!!”



“しっかり〜!ようちゃ〜ん!”



“ようちゃん大好き〜〜〜!!”




って、おいおい。
それ声援じゃないじゃん!




違うスタンドからも飛び出した声援?に若干嫉妬しつつ、走ってくるヒロキに向けて後ろ手に右手を差し出している耀太の姿を見つめる。






とにかく頑張れ!耀太!!







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