白露降る


 私があまりにも平然と答えるからなのか、2人は困惑しているようだった。

 心配して連絡してくれたんだろう。

 達也とも私とも仲良くしてくれている、できた人間であり、お似合いのカップルだ。

 2人のようになれるものだと、思っていた。

「2人が連絡するほど、あからさまなんだ?」

「……俺にはあまり言ってこない。
沙織に伝わるって、分かってるからだろうな」

「私にも話してくれないんだけど、女友達から聞いたんだ。
最近、合コンとかよく行っているみたいで、
沙織以外の女と歩いてるの見たとか、
家に連れ込んでるとか…」

「そうか……そんなところだろうな、と思った」


 夜に連絡がつかないことが多くなったのは、3か月ぐらい前だろうか。

 あの頃は、どうしたの?と心配して、メールを何通も送っていた。

 バイト。

 と簡潔な返事が返ってくるのは、次の日の昼ごろだった。

 バイトじゃないことくらい、わかっていた。

 メールを送る無意味さに気づいてからは、メールは週に数回になっていた。