白露降る

***

 電話は、突然だった。

 待ち合わせ場所のファミレスで、2人は待っていた。


 私たちが付き合うきっかけをくれた友人、大輔と恵だった。


「びっくりした。どうしたの?」

 私は努めて明るく問いかけた。

 何となく、理由は分かっている。


「沙織…気づくのが遅くてごめん」


 恵が悲しそうに言う。

 どうやら、当たっていたらしい。

 こういうの、違うところで役立てたい。


「達也の様子、最近どうだ?」

「よくケータイいじってる」

「いつ?」

「いつも」