白露降る


「あ、その顔、考えてなかったでしょ?彼氏にサプライズしなきゃねぇ」

「そうそう!一緒に考えてあげよっか?」


 喜々として、善意を向けてくれる友人たちに笑いかける。


「残念でした。考えてあるんだ」


 考えても意味がないと考えてる。

 そうこじつけて、笑顔を張り付けた。


「な~んだ。そういうの疎そうだったのに」

「何?何すんの?教えて」

「秘密。ポロっと言っちゃいそうだから、終わった後に教えてあげる」

「口が堅いと有名な私に対してなんてことを!」


 笑い合う友人の輪に馴染むように笑う。

 もう少ししたら、ちゃんと言うよ。

 そして、そのときに謝るから、


 嘘ついて、ごめん。って。