白露降る


 カーテンを開け放つと、うっすらと明るくなった空が視界に広がる。

 わずかな光が目に染みた。

 時間は早朝。

 家族が起きるには早すぎる。

 そっと階段を下り、そっと庭へ続く窓を開ける。


 半そでと半パンからのぞく肌に、鳥肌がたった。

 犬小屋からでていたゴローが小さく鳴いた。

 シッと、唇に人差し指を当てる。


 深呼吸。

 朝の澄んだ空気が、肺に染みた。

 徹夜明けの頭も澄んでいく気がする。

 そして気持ちもすっきりしていくような感覚。

 瞬き数回。

 凝り固まった体で背伸びをした。

 霞む脳内でも考えることはできる。