***
前と同じように、私の前で電話の相手に笑いかけていた。
明日になれば、付き合って1年経つことになる夜だった。
相変わらず、底に残ったチョコレートにスプーンは届かなかった。
カチ、カチッ、ガチッ。
ガラスって硬い。
全然削れない。
全然届かない。
「うるせぇ」
顔を上げれば、眉間にしわを寄せていた。
閉じたケータイに、通話が終わったことを悟る。
私の手が止まると、飲み物をあおった。
喉仏が上下する。
スプーンを握りなおした。
力強く握った。
ガチンッ。
スプーンを力いっぱい突き入れた。
達也がギョッとこっちを見た。
やっぱり割れない。
前と同じように、私の前で電話の相手に笑いかけていた。
明日になれば、付き合って1年経つことになる夜だった。
相変わらず、底に残ったチョコレートにスプーンは届かなかった。
カチ、カチッ、ガチッ。
ガラスって硬い。
全然削れない。
全然届かない。
「うるせぇ」
顔を上げれば、眉間にしわを寄せていた。
閉じたケータイに、通話が終わったことを悟る。
私の手が止まると、飲み物をあおった。
喉仏が上下する。
スプーンを握りなおした。
力強く握った。
ガチンッ。
スプーンを力いっぱい突き入れた。
達也がギョッとこっちを見た。
やっぱり割れない。

