へたれンパイア~バイオレンスな生贄~



「何だ…!?アイツ…」


「あたしの血を吸ったからだ。…毎日、聖水を薄めたビタミン剤を注射してるから、飲んだ奴の内側から効いていくのよ」


「…それにしては、ヤケにピンピンしてるな」

話に聞く事実と目の前の現実のギャップに眉をしかめ、ウェルシーは懸念げに言う。



「いくらザコとは言え、聖水ごときの力はあんなもんよ。…何より、体内に注入する為に、何百倍にも薄めてるし」


「その上、今はお前の血欲しさに、精神が肉体を凌駕してるってことか」

その説明で多少納得出来たのか、彼は小さく頷くと一歩あたしの前に進み出た。

ジャラ、と彼が動く度に高鳴る貴金属の音が、ヤケに耳につく。



「何する気?」


「最後の手段だ」


そうして、取り出された奇抜な形容をした一丁の銃に、あたしは目を見開いた。



「な…銃、持ってたのか!?」

騙された感満載の行動に、思わず声を荒げる。


「持ってたんじゃない、持たされたんだ」

そんな、どうでもいい言い訳をしてくるウェルシーの膝に、蹴りを入れた。