へたれンパイア~バイオレンスな生贄~



「GOAAAAAAAT…」


「ゴー…トの血…オレたち、ツヨクする…‥」

グルルルル、とまさに腹を空かした獣の如く、獲物を見定める二匹の化け物


その内の一匹は、先祖返りでもしたように床に這いつくばり、重心を低く構えていた。



「…最高だなッ。どうやら、相当お前の血が魅力的みたいだぞ」

見るからに醜悪な様相に、ウェルシーは気味悪がって体を仰け反らせる。


「そうね。奴等にとっては、この上なく甘い匂いがするんじゃないか」

ドクドクドク、と脈打つ傷口を押さえ、溢れ出す血を止めるようにグッと力を入れた。

それでも、ゴプッと指の隙間から伝う血の滴に、ウェルシーが驚きの声をあげる。



「お前…血…‥ッ」


「…アイツの吸い方が、下手くそだったんだ。あの姿見れば、分かるでしょ」


苛立つあたしの視界に映るのは、四つん這いになり全身の毛穴から、プシューッと異常な白い蒸気を噴出しているヴァンパイアの姿


それは、紛れもなく“あたしの血を吸った結果”だった。