そのままだと、確実に胴体が切り離されていたであろう攻撃を咄嗟のブリッジで避け、長身の割りには身軽な動作でバク転すると、あたしの横に着地したウェルシー
その呼吸は、少しだけ乱れていた。
「運動不足じゃないの?」
「黙れ、実戦経験が無い割りには、よくやってると思え…!」
「GOAAAAAAAAAT!!」
鋭い牙と濁った目玉をひんむき、ヨダレを垂れ流して襲いかかってくる空腹の二匹のヴァンパイア
それを見定めたあたしとウェルシーは、互いに両端の壁を蹴り、その衝撃をバネにして床・壁・ヴァンパイアへと、三角飛び蹴りをお見舞いした。
ボールのように軽やかに跳んだ二匹の体は、何のクッションもなく直接硬いコンクリートの壁に叩きつけられる。
…だが、それで倒せる程、ヴァンパイアの身体はヤワではない。
「効いてるのか?」
「全然」
エレベーターの入り口側を背にして着地したあたし達は、短い会話を交わした後、土埃が舞う室内を神経を尖らせて観察した。


