しかし、近年何故かその生態系のバランスが崩れ……ヴァンパイアが、過剰にゴートの一族を頻繁に襲うようになった。
その為、ゴートの一族は次々とその数を減らしていき……終いには、現在の生き残りがあたし一人と言う、何とも情けない結果になってしまっている。
だからこそ、“エサ”をなくしたヴァンパイア達はそれまであまり被害を及ぼさなかった 人間達にまでその牙を振るう事になり、こうして討伐団クイ-ルと言う組織が政府から駆り出される所以となったのである。
「フィア、ウェルシー。私達の仕事は、‘仲間割れ’をする事だったかな」
詰め寄ろうとしたあたしの腕を掴み、牽制の言葉を投げ掛けたキルバッシュに、ウェルシーもあたしも一瞬動きを止めた。
…彼の静かな戒めは、どんな大男の怒鳴り声よりも恐ろしい
「でも、キル…」
「今回、フィアが報告して来た件は、現クイ-ル内での最重要事項の一つに捉えられた」
思わず、その実名で呼ぼうとしたウェルシーを遮り告げられた事実に、二人の視線が一気に彼に向けられる。


