「私が心配する」
なのに、逆にその事実が滑稽であるかのように言いくるめてくるキルバッシュに、やはり大きな戸惑いを覚える。
「……」
「……」
そして、その曇りの無い瞳の強さに耐えかねて視線を逸らすと、少しだけバカにしたようなウェルシーの瞳と出会いムッとした。
“お前が、女なのか?”…その目が、そんな風に言っているような気がした。
だから、視線を据えて睨み付けてやると、ウェルシーも負けじとその眉間にシワを寄せてあたしを睨み返して来る。
その無言の問答がまた始まるのかと、自分でも腹をくくった時……キルバッシュのあの波のサザメキにも似た優しい声音が、降って来て驚きに少し身を堅くした。
「フィア、疲れてるだろう?部屋に戻ろうか」
何より、その肩に置かれた手の感触に少しビクリとする。
──この世で唯一、あたしを女扱いする奴…キルバッシュ
そんな彼をあたしは、嫌いではないけれど……少し苦手に感じている。


