そして、先程よりも断然強力な味方を右につけたあたしは、優位に勝ち誇った顔でウェルシーを見上げる。
「だってよ?副隊長様」
ヤケにその肩書きを強調して言ってやると、ウェルシーは口惜しそうに下唇をプルプルと噛み締めた。
それに習って、唇につけられていた2連のリングピアスもユラユラと揺れた。
「フィア、あんまりこの子をからかわないでくれ。真っ直ぐな子だから、すぐに熱くなってしまうんだ」
そう言いつつも、それが可愛くて仕方無いとでも言うように眉尻を下げて微笑むキルバッシュに、あたしはフンッと鼻を鳴らして視線を逸らした。
そして、そんなあたしにまで保護者のような目付きで顔を覗き込んで来ては、その上品なブロンドの髪を揺らして優しい表情を作る彼
「それに、フィア…君も立派な女の子なんだ。あまり、向こう見ずな事ばかりしていては心配するだろう?」
「……」
まるで、それが‘当たり前’の事のようにそう言ってくるキルバッシュに、あたしはあからさまに眉を寄せた。
「あたしを心配してくれる奴なんて、もうこの世にいるわけないだろう」
親も兄弟も……ゴートの一族は皆、ヴァンパイアに殺されてしまったのだから──…


