「隊長、聞いたか!?コイツ、また一人で勝手な行動を……」
それを横目で一睨みし、ウェルシーは今度こそあたしの過失を追求して来ようとする。
「うん、聞いたよ。“ヴァンパイアの変死体”…だったかな?」
しかし、それを受けてキルバッシュが口からこぼれ出させた言葉に、ウェルシーはハッとしあたしはニヤッとした。
「隊長!そうじゃなくて、コイツの勝手な振る舞い……」
「ウェルシー、私達が一番に優先すべき事項は何だと思う?」
慌てた様子で言い募ってくるウェルシーに、キルバッシュは落ち着かせるように静かな声で言う。
「私達“クイ-ル”は、この世界の秩序とバランスを保つ為に政府から遣わされた組織だ。
その第一の目的は、人間に対するヴァンパイアの脅威を取り除く事…」
そこで一度言葉を止め、キルバッシュはそのターコイズグリーンの瞳を長身の男であるウェルシーに向けた。
その瞳の透明度と輝きに、彼は一瞬たじろぐ。
「だから、フィアを叱るのは後にして…先に、ヴァンパイアに起こっているらしい“異常事態”の事を聞こうじゃないか」
そうニッコリ微笑む彼に、抗える者など誰もいない。


