あたしがこの世で嫌いな人間のタイプは、二種類ある。




「もうお前の素行の悪さには、とことん愛想が尽きたぞ!フィアーネ・モア!!」


一つは、頭ごなしにしか人を怒鳴りつける事が出来ない 脳なしタイプ



「あたしが、いつアンタ達なんかに愛想を振りまいたりした?」


「だから、問題なんだ!“個人行動の自由”とか言って、身勝手な振るまいをするのをやめろ!!」


小汚ない唾をあたしの顔面に飛ばしつつ、そう罵る男に冷たい視線を送る。



「あたしに“言動の自由”は、無いのか」


「何が“自由”だ!!お前のは“自由”ではなく“勝手”だ」


全く…と憤慨も露に、腰まで伸びた赤茶の髪をかきあげる男


その‘すかした’態度に、あたしはあからさまに嫌悪の舌打ちをした。


「……相変わらず、反省が足りないようだな…フィアーネ・モア」

そんな反抗的な態度に、ピクピクと眉間を震わせながら抑えた声で男は言う


「現場を何も分かってないような“坊っちゃん”に、言われたくないね」

それにあたしも、フンッと鼻で笑い飛ばし吐き捨てるように答えた。


…もちろん、それが相手の一番突かれたくない所だと分かった上で。