「違うなら、ハッキリ"違う"と言った方がいいぞ。…でなければ、あたしはそれを"真実"だと、自分の中で信じたままで話を進める事になる」
しかし、それでも何も言って来ないソイツに、もう十中八九自分の勘に誤りはないんだと景気づく。
「お前らは、元々、本能のままに赴いて行動する粗悪で劣悪な下級ヴァンパイアの存在で生まれた。
だが、ある時からそこに"矛盾"が生じ…知能を持ち、それなりの理性も芽生えるようになった」
そこで、あたしは一旦言葉を止め、自分の内で今言った事に綻びがないかを確認した。
『卑怯な手を使って、ヴァンパイアブラッドにのしあがったのですわ』
その"卑怯な手"が、今のところ具体的にどんなものなのかは、定かになっていない。
でも、少なくともそれが好印象なものではなくて、マティリアがヘドを吐きたくなる程に嫌悪しているものだと言うのだけは、理解していた。
「だからこそ、お前らの存在自体が"矛盾"であり"不審"なんだ。
そんな下級らしい劣悪な容姿をしていながら、上級並みの知能を持つ…それは、明らかに"異常"な事で、今までにそんな経験は一切した事がなかった」
──…それは、一種の“前触れ”とでも、言うものであろうか?


