「継承‥者…」
その言葉の深い意味までは掴めなかったけれど…少なからず、奴等の狙いがメフィストの心臓にあり、それが奴等をヴァンパイアブラッドまでにのしあげる材料になるのだ、と言う事も理解する。
…だが、やはりどうしても、一つだけ解せない謎が残った。
「マティリア…‥コイツらは、"最初から"ブラッドだったわけじゃないんだな?」
問いかける、と言うよりは確信を得るのに近いような形で…また、今度は探るような言い方でなく、ハッキリと真正面から聞いてみる。
「ええ!その通りですわ、お姉様!!」
数秒間、あたしと見つめ合った後、マティリアは嬉々としてそう答え、まるで水辺で戯れる白鳥のごとき所作で、次々とヴァンパイア達を亡き者にしていった。
どこまでも美しく"たおやか"に、可憐な様で殺生をしていくその様子は、まさに「死のマリア」を連想させる。
「成程。じゃあ、お前らは本当に"偽物"と言うわけか」
わざとらしく独り言染みた口調でそうごちてやれば、一人取り残されつつあったリーダー格らしきソイツは、ピクリと肩を震わせた。
その動揺をあたしは、見逃さない。


