へたれンパイア~バイオレンスな生贄~



もう一つの"不審点"──…

それは、"外"と"内"が一致していない事。


いわば、外見と中身が釣り合っていないのだ。



「コイツらは、"卑怯な手"を使ってヴァンパイアブラッドに、のしあがったのですわ…っ」

やっとの思いで駆けつけたらしいマティリアが、少し息を切らしながら、あたしの上にのさばっていたヴァンパイア達を爪で薙(な)ぐ。


…どうやら、この敵の数の多さに、流石のマティリアも苦戦していたようだ。



「卑怯な手…?」

久方ぶりの自由な身にホッと息を吐きながらも、体を起こし聞き返す。


押さえ付けられていた節々が妙に痛んだが、今はそれどころではなかった。



「…ええ。この世で最も最低最悪な、ね」

何かを意図したように、ゆっくりと声音低く答えて来たマティリアに、強い猜疑心(さいぎしん)が沸く。


…コイツらは、あたしに何か重大な隠し事をしているんでは、ないだろうか?


そんな疑念が確信に変わる前に、またしても"アイツ"によって、思考が遮られた。