「どうやってココに来た!?」
「どうやって、って……走ってですけど?」
「嘘をつけ!!一般人の脚力で、クイールの早さについて来れるわけがないだろう!?」
有り得ない事実に、あたしは強い憤りを感じて叫ぶ。
有り得ない有り得ない有り得ない…っ!!
クイ-ルは元より、特別種族のゴートの生き残りでもあるあたしの運動神経と、一端の人間が同じレベルのハズがない!!
「一体、どんな裏技を使った!?」
あまりにも信じたくない出来事に、思わず叫んだ声が裏返る。
「いや…だから、普通に……」
その必死な様子に流石の男も面食らったのか、シドロモドロになりながら“普通”と言う言葉を繰り返す。
そんな情けない様が、余計あたしの心を波立たせた。
「嘘をつけ!そのタネを見せろ!!」
「え…うわっ、ちょ…っ!?」
完全に引け腰だった男に飛び付き、そのトリックの正体を暴いてやろうとズボンのベルトに手をかける。
そんなあたしの突然の奇行に驚いたのか、男はその白い肌を更にサァーと青ざめさせて慌てて抵抗した。


