次に目が覚めた時

真っ先に視界に飛び込んできたのは、見覚えのない天井だった。


ぼんやりとする頭で、ゆっくり顔を動かしてみれば…それこそ見たこともない壁紙、家具、部屋の風景が次々と飛び込んでくる。



自分は、まだ夢を見ているのだろうか


そんな思いに囚われながらも、また静かに頭の位置を戻した。



…あの夢の続きも、確かこんな感じだった気がする。


ヴァンパイアブラッドと至近距離での接触を果たしたあたしは、極度の疲労困憊と精神的ダメージから、すぐにその場で意識を失った。


そして、次に目覚めた時には、全く見覚えのない天井が目の前に広がっていて…



「……どこだ…ここ…」

思わずそんな言葉がポツリと口をつい出て、そう言った自分に何より驚いて、慌てて起き上がった。



そこは…天井も壁紙も絨毯も、全体的に何だか少し古くさく、大して広くもなく狭くもない部屋に置かれた家具たちは、皆個性を主張する事なくヒッソリと備え付けられている。


四角形に切り取られた部屋の唯一の窓からは、全く身に覚えのない風景と、垂れ下がる赤いカーテンのボロボロ具合が見てとれた。