あたしは、弾かれたように顔をあげた。
「……!!」
そうして目にしたのは、今までに見たことが無いくらいの悲惨な光景…天井が見えなくなる程に逆さ吊りにされた死体の山に、愕然として言葉をなくす。
通りで室内が暗かったのも、シャンデリアに群がる死体の山のお陰で合点がついた。
「……これ…全部、お前がやったのか…」
恐怖と言うよりは驚愕と言った感じに、唇から言葉をこぼれ出させるあたしに、メフィストは軽く"そうだよ"と、答える。
──…予想外だった。
ヴァンパイアブラッドが、これ程までに“食欲旺盛”だとは思っていなく、ザッと見渡す限り100体以上はある死体の数に、流石に戸惑いも覚えた。
あまつさえ、そのどれもが顔面蒼白で青白く…確かに、死んでいると言う理由も一理あるが、それは"全身の血液を抜かれているから"が、第一の原因だと推測する。
そして、死後硬直で堅くなった体で胸の前に腕をクロスさせられ、どう言った仕掛けなのか…何の糸もつっかえもない状態で天井にぶら下がる様子は、まるで飛び立つ前のコウモリのよ……
「あー、姉さん見て。ここも飲み残してる」


