へたれンパイア~バイオレンスな生贄~



「バカ…ッ!!」

慌てて奴の頭を掴み、自分も身を捩らせながらそのデカイ図体を押し退けた。


案外、呆気ないくらいに離れてドシリと尻餅をついたメフィストは、何故かとてもつもなく不思議そうな顔をして問いかけてくる。



「…何?」


「それはコッチの台詞だ…!!どうして、今咬もうとした!?」


「だって、姉さんが俺の話信じてないって言うから…」


「その話じゃない、バカ者!!信じてないのは、ヴァンパイアブラッドの話で、お前自体がヴァンパイアなのはもうとっくに分かってる…!!」


「あ、そうなんだ…」

キョトンとするバカをよそに、あたしは若干咬まれたかもしれない肩を慌てて観察した。


指で触って確かめてみたがなんの凹凸もなく、見た感じ咬まれた痕跡も無かったので、取り敢えずホッと胸を撫で下ろす。



「おまえ…ッ…」


そして、全くと言っていい程その言動が先読み出来ないメフィストに、激しいフラストレーションが募り、睨み据える視線も自然とキツくなった。