口中に広がる酸っぱさと、ヒリヒリと焼けつくように熱い食道の感覚に、信じられない思いで呆然とする。
「ごめんなさい、姉さんだと思って加減しなかったら…本当に度合いを間違えた」
頭上からかけられる声にゆっくりと顔を上げると、同じく正座をした体勢で首を傾げるメフィストの姿があった。
そして、あたしはまだ体が辛いのも忘れて、弾かれたように立ち上がり、ソイツの襟首を力いっぱい掴みあげる。
「お前は、ヴァンパイアブラッドか!?」
噛み付くくらい至近距離に寄り、その瞳を見つめるが、今度は可笑しな感じにはならなかった。
「そうだよ」
間近で見れば見る程、気味が悪いくらい白くシミ一つない肌が、その時ばかりは何故か表情を消したメフィストの不気味さを物語る。
「……ッ!!」
それを聞き、先に動き出したのは…襟首を掴んだ手か、それともあたしの堅い頭か
「…い゛ぃ…ッ!?」
打ち付けた額の痛みに、メフィストだけじゃなく、当の本人のあたしでさえも額を押さえた。


