ここが駅だということも忘れて、
俺はずっと夏奈を離そうとしなかった。
「ゴメン……
送るわ。」
「う………ん。
ありがと……………。」
夏奈のうちに着いた。
「こんなに遅くなってすみません。俺がつれ回しました。」
夏奈の母親に頭を下げる。
俺は、夏奈と真剣に付き合っている………
そのことを理解してもらいたかった。
「あらぁー、いいのよ!
部活でちょくちょくこのくらいにはなるし、
彼氏さんがいてくれたほうが逆に安心よ。」
夏奈の母親は、優しく俺に言った。
「あ、ご飯まだでしょう?
たくさん作っちゃったのよ、食べて行ってくれないかしら?」
俺は、うちに上がらせてもらった。


