俺にとっての蜜菜は、昔からずっと“かわいい妹”。 「航兄!」 キラッキラの笑顔で名前を呼ばれると、無性に頭を撫でてやりたくなるような子。 「お兄ちゃん!」 実の弟の治也と並んで手を振っている姿は、今でも思い出せる。 「今行くから~。」 治也と顔を合わせて笑っているのを、俺は保護者みたいな目線で見ていた。 恋、とは少し違って。 でも、特別だった。 もちろん今も変わらずな。