私と涼ちゃんが付き合い始めて1ヶ月ちょっとが過ぎて、暦は4月。



シーズンが始まった。





健人先輩やあすか先輩たちにとっては、高校生で迎えるラストシーズンだ。



だからなのか、部活はピリピリとした雰囲気が流れる時がある。

新高校2年生である私たちも、うかうかしてはいられない。



新しく、後輩が来るのだ。





「蜜菜、お前、オリエンテーションは任せっきりだけど、大丈夫か?」



「平気です。何かあれば健人先輩に言いますね。」



「おぅ。」





私は、涼ちゃんと話し合って、先輩たちには付き合っていることを黙っておくことにした。…なんとなく。



いや、信用してなくはないんだけどね、なんとなく。





「拓馬、オリエンテーションのこといいかな?」





私たち陸上部は、今年は拓馬の高跳びで部員を集めることにした。カッコいいもんね、高跳び。





「あぁ、いいよ。」





拓馬は、シーズンに入ってから調子がいいらしい。



もうすぐに大会があるから、きっと最高のジャンプを見せてくれるだろうな。