「戦況はどうだ」 「まだ動きはありません。恐らく、今夜仕掛けてくると思われます」 下がれ、と短く言うと男は軽く頭を垂れてから背を向けた。 今夜か。 とデリスは思う。 ここの対戦が終われば暫くは戦渦に巻き込まれることは無いだろうが、ナオトには会えなくなる。 本当は別れの言葉くらい伝えてきたかったが、ナオトの顔を見たら言えなくなってしまったのだ。 代わりに思ってもいない皮肉を浴びせかけてしまった。 その時の、何の色も浮かんでいないナオトの瞳が脳裏にこびり付いて離れない。