『お‥ぉう』
『あ‐赤くなってる』
『う、うるさいッ』

名前を呼んでくれるのも
友達が出来たのも
全部初めての事ばかり。

嬉しかった。


いろんな話をしながら
歩いて行く。

‐ヒュッ‐

『ん?』

城を出て数百メートル。

何かが飛び出してきた。

恐らく魔物だ。

『‥』

ブライトと目配せし、
いつでも戦えるように身構えた。

今度はさっきと逆の茂みから
飛び出してきた。

はっきりと見えた。

2つの尻尾。

猫の様にしなやかな体。

長く鋭い爪と牙。

ライオンのように大柄な魔物だ。

ピンと張りつめた空気。


緊張が走る。


‐ヒュッ‐

飛び出してきたのは
フロスト側。


避けるも
牙がかすった。

鮮血が流れた。

『ハッ』

しかしフロストも
振り返り際に魔物の頬を斬る。


動きが鈍った理由。

剣がかなり重いのだ。


振り上げるのがやっと。

足が震え出すのは早かった。

魔物は跳んだ。
瞬時にフロスト背後にまわり、
口を大きく開いた。

‐キィン‐

斜め上からの攻撃に
ぎりぎり応戦できた。


しかし
相手が重く大柄なため
自分を守るのが精一杯。

どちらかと言うと潰されそうに
なっている。

魔物は刀を放して降下した。

そして