城を出ると
外は闇に覆われていた。

目の前が中々見えない。

『姫‥。外は
こんなに暗いのでしょうか』

そっと
指先に灯りをともして歩く。

『‥さぁな。
私も外に出たのは初めてだ。
ところで
父はそなたに何を申した?』
『あ、はい。
国を周り、邪悪なものを絶つ事が私達の仕事‥だと。』
『そうか‥。』


私は地図を開き指差した。

『ここからが良かろう。』
そこは
【Glaciea】氷河の海。
そして
その下の暗黒の海底。

かつて
【雫[しずく]】と呼ばれた海も
恐らく堕天使によって
汚されたのだろう。

汚された2ヶ所だ
清めなければ。
そこに敵も居ると私は推理した。

『了解です』

話題がなくなり

しばらく沈黙が続く。


名前‥。知らないな。


私は遅いながらも
彼女にたずねた。

『なぁ‥その‥お前の名は?』
『私はブライト・クレッセント
と名付けられました。』

『ブライトか。もう私達は
仲間だから姫と呼ぶな。
敬語もいらぬ。』

初めて出来た友達だから
恥ずかしいって言うか
姫って呼んでほしくない。

『‥そうだねッじゃぁフロストって
呼ぶね♪』

ブライトは
にこッと笑った。