側にあった切株の上に座る。


‐ハァ‥‐

大きな溜め息をつくと
自分の中に溜った
嫌な物が出ていくようで
少し気が楽になった。


『母上‥か‥。』

最後に夢の中で私が言った言葉。


父上でもなく
ブライトでも乳母でも
兵士でも婚約者でもなく

‥母上。


私は出発する前
母上を見ずに
出発してきてしまった。

それが夢に悔いとなって
出たのだろうか?

思い残す事が
出来てしまった気がする。

私はいつか戻らねばならんな。

そう決意を固めた。




‥しかし

あんな猛獣のような奴
いるのか‥?

もし現実なら‥





水の中での戦いを知らぬ私に








勝ち目はない。