この国では
15になるまで
名を与えられない。

そして外に出る事も
許されない。

まるで囚人の様に。


『まず
私の名からCrossを与えよう。

我が一族の名だ。

‥そうだな‥
お前は色が白いだけでなく
霜のように美しい。
故にFrostを。

【フロスト・クロス】お前の名だ。』

今、名付けの儀式が行われた。



静かに王は続ける。

『‥魔法や剣は使えるか?』
『はぃ。』
『ならば皇族として戦闘へでよ。城は堕天使が周りを固めている。
兵士だけではどうにもならぬ。
かつて【疾走の刃】と歌われた私の子なら出来るだろう。



‥さぁ
行け。』


フロストはティアラの様な聖帽を被り、
1礼して
部屋を去った。