「ええっと、次から作り始めるので、みなさん楽しみにしといてください!」 はぁあ…。 疲れたっ! 「沙南ちゃん、お疲れ様」 「ありがと」 沙南ちゃん、か。 愛村君はあれから“沙南”とは一度も呼ばなかった。 まあ喋ってなかったせいもあるけど。 あたしはこのとき、 愛村君が何を言おうとしていたか考えるのも忘れていた。 まさか“知っている”とは思わなかったから。 聞かなければよかったのかな。