最近、沙南の顔を見てない。


何か悩んでいるようなのは、学校で思ったけれど、


放課後もすぐ帰るし、どうしたのか聞いても答えてはくれない。




あの子はいつだって、

自分の、肝心なことは口にださない。




頼ってほしい。

助けたい。


そんな思いがつのるけれど、どうにもならなくて、イライラする。




「それに、襲われたのは、拓眞だけじゃなくて、沙南のお父さんも」


「え……」




そんな怒りも、ナツの一言で打ち砕かれた。





じゃああの子がいつも早く帰ってるのは、お父さんのお見舞い?



「~~~っ」



うつむいていると、ナツの携帯が震えて、どこかへ行ってしまった。