数日後、あたしは奇妙なやりとりを学校の帰り道に聞いた。
「あんたたち！あたしが誰だかわからないのっ！？」
三流のドラマにでも出てきそうなセリフ。
今時そんなセリフを吐く子がいたんだと感心しつつ、絶滅危惧種動物として、保護したほうがいいんじゃないかと考えていた。
「は？お前みたいなの知るわけねーだろ」
「…ふんっ！あたしは、Angelよ！」
「「……はあぁぁあ！？」」
あ、しまった！
あまりの驚きのあまり、あたしも男たちにつられて大声を出してしまった。
「あなた誰よ？失礼ね」
そう言った女の子の顔をまじまじと見た。
金髪のストレート。
化粧はすっぴんに近くて、蒼いカラコンを入れてる。
…確かに、昔のあたしと同じ格好だ。
