天国に近い場所

「はい…」

「よろしい」


龍美さんは立ち上がり、救急箱を片付ける。





「龍美!志乃!お肉焼けたよぉ」


ベランダから夏莉がヒョコッと顔を出して、私と龍美さんに言った。





「今行く。志乃、指大丈夫か?ハシ持てっかな?」

「大丈夫ですよ。切ったの利き手じゃないですし…」

「そっか。でも痛かったら言えよ?」




ドキッ


「は、はい…」

「それともうひとつ。お前に注意しときたいんだけど…」

「………?…何ですか?」