天国に近い場所

男は、馴れ馴れしく私の腕を触って来る。



「ちょっとやめてっ」


気持ち悪い……





「ぶつかってきたのはそっちだろ!」

「―――おい」



っ!!


振り向くと…

龍美さんがビールケースを持って、その男を睨んでいた。




「げっ!荒井 龍美!!」


男は龍美を見るなり、私の腕から手を離す。




「そいつになんか用?」


龍美さんは、男の人に笑顔を向けた。



うっ怖……

笑顔なのに…なぜか怖い……




「ち…」


その男は、舌打ちをしたあと、逃げる様にスーパーから出て行った。