天国に近い場所

「志乃。また明日ね」


夏莉が、助手席から私に手を振った。




「うん、バイバイ」



ブォ―ン……


正樹さんが車のエンジンをかけ、ハンドルを握りると、車はゆっくりと走り出す。

私は振っていた手をおろし、家に戻ると…

リビングの椅子に腰掛け、タバコに火をつけた。




龍美の匂いが私を包む…


まるで‥

『元気出して』と、慰められているようだった。



ねぇ 龍美…

今日‥正樹さんに会えたよ。



龍美は‥

『夏莉と正樹さんと健太郎くんに、絶対会わせてやる』って言ってたじゃない。





嘘つき。