「とりあえず…テキトーに座っとこうか?」

「そうだね」



私と夏莉は適当に、誰も座っていない机に腰掛けた。





「ねぇねぇ、ひとつ聞いてもいい?」

「ん?」


夏莉が鏡を開き、乱れた髪を直しながら私に聞いた。





「前に話してた・・志乃の彼氏いたじゃん?ほら、限定で付き合ってたとかなんとかって……その人って、この学校の人?」

「え……うん、まあ…」

「ホント!?誰?」


夏莉が鏡をカバンにしまい、興味津々で私に聞いて来た。





「……笹山 敦っていう奴なんだけど…」

「げ」