「あ…」



私の手が、うっすら透けている‥




大丈夫…


怖くなんかない……



私は膝を抱えて目をつぶり、時間が経つのを‥

じっと待っていた……





バクバク…


ドクッ

バクバクバク…



心臓の音だけが聞こえる…


少し違和感があり、片目を開けると‥更に私の体が透けていて、

椅子に座っている感覚がない。







「辰夫おじいちゃん。さようなら‥ありがとう」



私は再び目を閉じて、ギュッと手を握った‥

そして…



スッ





私の体は消えた…