ちらっと龍美を見ると… 龍美はベランダでタバコを吸いながら、 ぼんやりと海を眺めていた, 涙で滲んで見えた龍美の背中は、どこか悲しそうだった。 その夜は、久しぶりに夏莉と一緒に眠った。 夏莉は泣き疲れたのか、ぐっすりと眠っていた。 私は、今の夏莉にどこまでしてあげられるんだろう… “夏莉を守る”と正樹さんに言った私だったが、 こうして一緒に寄り添って、寝てあげることしかできない…… 夏莉の寝顔を見ながら、そんなことを考えていた。 嫌なことは、重なるものだとも知らずに…