「夏莉どうしたの!?」


勢いよく階段を駆け降りると…

夏莉はソファーの後ろに隠れ、ぶるぶる震えていた。




「…ゴ、ゴキブリ!」




え。

ゴキブリ?





「夏莉大丈夫だって。ホラ、今潰した………あれ?」


正樹さんがスリッパを片手に持ち、キッチンから顔を出し、私と龍美の存在に気付いた。





「今の悲鳴って…もしかしてゴキが出ただけ?」


龍美が正樹さんと夏莉に、ニッコリと笑顔を向ける。




「ああ、悪い悪い。起こしちゃったかな?」


正樹さんが笑顔で言う。