天国に近い場所


「あと15分か…」


正樹さんが、時計を見て悔しそうに唇を噛む。





「健太郎…」


夏莉は私の隣で、健太郎くんの頭を撫でた。



私は涙を必死で堪え、ギュッと健太郎くんを抱きしめた…






あと15分‥







10分‥









5分‥

















「あ‥健太郎くんの体が……!」

「透けてる…」


あと5分という所で、健太郎くんの体がうっすらと透けて見え出した。

私の腕には、健太郎くんを抱いている感覚がない。