天国に近い場所

脱衣所からは、健太郎くんと龍美の楽しそうな声が響いている。





「……うぅ……っ」



夏莉がその場にしゃがみ込み、口を手で押さえながら泣き出す。

すると正樹さんは立ち上がり、夏莉の背中を摩った‥



私はその場の雰囲気に堪えられずに、ベランダに逃げ込む…

そして‥ベランダから見える夜の海を眺めながら、堪えていた涙を流した……



健太郎くんの前では泣けない。


泣いちゃいけない……

だから今のうちに、たくさん泣いておかないと…


我慢出来ないよ……………





私は健太郎と龍美がお風呂に入っている間、ベランダでうわんうわん泣いた‥