天国に近い場所

パラソルの下では、私と夏莉の二人きりになる‥




「心臓がバクバクいうと現実に戻るってこと。龍美と正樹は健太郎に、教えてなかったみたい‥」


夏莉は私の隣で、健太郎くんの後ろ姿を見ながら話し始めた。




「そうなんだ…」

「まだ健太郎は小さいから、そんな難しいことわかんないだろうと思って…言ってなかったんだって」



まだ5才だもんね…

“ココ”の現実を知るのにはちょっと無理があるかもね。





「だけどさ。今の健太郎は、あと数時間後に自分はココの世界から消えるなんて、思ってもないんだろうね。突然目覚めたら、現実に戻ってたらきっとびっくりするよね…」