天国に近い場所

「…誕生日おめでとう」


龍美は聞こえるか聞こえないかのような声で、そう言ってくれた。




「あ、ありがとう…」

「本当は、自分の働いた金で買ってやりたいけど…ま、それは現実に戻ってからのお楽しみだな」


龍美はふわっと笑い、耳にかけた私の髪を元に戻してくれた…




そんな…

龍美のお金で買ってくれなくても、すごく嬉しいよ。


龍美と“おそろい”出来たことが、しあわせ。




「俺にもつけて」

「!」

「俺にもピアスつけてよ」


龍美は、私が今つけてもらったピアスと同じピアスのを、私に差し出した。