天国に近い場所

確かに龍美の左の耳たぶには、ピアスの穴が開いていた。





「コレにするか」

「うん!私コレがいい♪」


私がそう言うと、龍美はガラスケースを開け、私が選んだピアスをそっと出してくれた。






「今つけてやるよ」

「今?」

「ほら。耳出せ」


龍美は今、ガラスケースから取り出したばかりのピアスのフックを外し、私の耳に手を近づけた。


私はドキドキしながら、髪の毛を耳にかけた。

すると龍美は、最初に私の右耳にピアスをつけ、そして次に…左耳の開いた穴にピアスの針を通し、フックをつけると…
龍美はぼそぼそと私の耳元で、つぶやいた…