天国に近い場所

「立てないで早く来いよ」


龍美は少し横にズレて、片腕を横に伸ばした…

まるで『俺の腕に頭を乗せろ』と、言っているようだ。



私は枕をにぎりしめ、勇気を出して…龍美の隣に寝転がる。


そっと、龍美の腕に頭を乗せてみた…



必要でなくなった枕は…

“抱きまくら”にすることにした。


すると龍美は眉間にシワを寄せ、私のことを睨み出した…






「な、なに…?」

「枕なんか抱いてねえで、俺を抱けばいいだろ」

「っ…」


龍美は私の手から枕を奪い取り、私にギュウッと抱き着く。