私の数歩前で龍美が健太郎くんを肩車して、キャッキャとはしゃいでいる。

私はその姿を、後ろからぼーっと眺めていた。





「志乃、遅せえぞ」

「あ、ごめん…」


私は龍美の側まで、小走りで走っていく。





「俺の後ろ歩くなよ。なんかあったら、すぐ助けらんねえだろ」

「‥‥っ」

「ほら」


私に手を差し出す龍美。





「なっ…なに!?」

「ほら…手出せよ」

「ややや、やだよっ」


手を後ろに引っ込める私。