引き返してみると死体は綺麗に消えていたものの、そこら中に飛び散った血の処理はされていなかった。                        

・・わざとだな。                            

 キョウスケはそう思いながらも、バケツに水を汲んでは流し、さらに土でその上を覆った。                              

 犯行がバレるように仕向け、社会と二人とゼロを動揺させたかったのだろうか。                                   

 それともキョウスケが後始末することを読んでいて、そのことでキョウスケを殺すつもりだったのだろうか。                      


・・どっちもだな。あいつは俺とセカンド、それにゼロを殺すきっかけが欲しいだけだろ。                               

 キョウスケがそう思いながら喫煙所でタバコを吸っていると、ポケットの中の携帯が震えた。