「あたしがみかん大好きだからね!」



「…分かりやすく言うと、自分の名前が果物だから、それと掛けて「蜜柑」にしたって事?」



「うん…!!」




十年前と変わらない笑顔をしている桃ちゃん。


時間は子供を成長させていくけど…俺達の関係は変わらないままだ。




「パパー、ママー!!

日向、蜜柑ちゃんにフラれたよおーっ!!」



「日向っ…!!」




失恋の痛みなのか、蜜柑ちゃんにフラれたばっかりの日向が、光里に抱きつく。


光里は、桃ちゃん、遼平、そして…俺と、ずっと顔を見合わせたまま笑っていた。




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